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2022/09/25

はじめに

こんにちは。2022年9月から英国ニューカッスル大学に留学をしています。
専攻は Master of Landscape Architecture (MLA), ランドスケープアーキテクチュア修士。2年間のコースです。
 
2015年から2020年に 北海道大学農学部、2020年から2022年に 北海道大学大学院農学院
で農業や緑地計画について勉強や研究をしました。ランドスケープデザインや都市計画についてもう少し実務的な内容を学びたいと思いイギリスに留学をすることに。
 
資金面や入学試験など留学にはいくつかのハードルがあったように思うけれど、たくさんの人に支えられてなんとか今はイギリスにいます。
 
ここでの記事の目的はおもに
受給中の給付型奨学金(JASSO, 戸田市, 埼玉県)
入学試験
大学での学び
留学中の生活  の紹介と記録です。
 
これから留学をしてみたいと思う方や、ニューカッスルについて気になる方などの目に留まると嬉しいな。
University
到着した日。寒かった。





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2023/11/07

みんなと住んでてよかったな

英国では一人暮らし、となると他人とシェアして住むことが多い。
もちろん高いお金を払えば、日本みたいな一人暮らしができるけれど、
大体はキッチンをシェアするタイプだったり、
一番安いのはキッチンとシャワー、トイレを共用するタイプ。

去年こちらに引っ越してきて、全て共用のタイプのところに住んでいたのだけれど、
何せ、掃除など全て自分たちでしなければいけないので結構辛かったのです。
文化も性別も何もかも違う人たちと一緒に住むのは大変。
掃除の仕方も、頻度も人それぞれ。
そもそも、掃除はするものだ、という感覚がない人だっている。

もちろん最初に耐えられなくなるのは私だったので、
結局、私が掃除してるよな、
まあ、日本に生まれ育ってしまったから仕方がない。
と思って我慢して住んでいたのだけれど。



そして、契約終了とともに、今年に入って引っ越さなければならないことになった。
新しいところでは、
せめてシェアする人数が少ないフロアに住めるところに、と思って
三人でシェアするフロアに入れてもらった。


9月から住んでみて、前よりも他のみんなとのコミュニケーションは頻繁だし、
掃除だって、誰が汚したのか一目瞭然だから、
みんな割と自然とする。
激安の寮だからあまり期待はしていなかったけれど、
住んでみたら意外と機能的には充足しているし。
隣の部屋の音はすっごく聞こえるけれど、
それもまあ寂しくなくていい。



そして今日みんなと住んでいて本当によかったなあと思うことが。
キッチンで私が料理をしていると、棚のあたりに二匹のミニG。
たまに見るイキモノだからびっくりはしなかったけれど、
まあ、たまにはスプレーでもしておくか、と手持ちのスプレーをシューっと。

すると、棚と壁の間から出てくる出てくる。
いやいや、そんな大家族だったとは聞いていないし!と青ざめ、
しばらくどうしたもんかわからず停止。

今、隣の部屋にはトムがいたはず、と思い出し、
助けて、とドアをノック。
どうしたの〜と呑気な声は、キッチンに来るとすぐにシリアスに。
でもなんだか意気揚々と、ワニワニパニックばりに出現する彼らをやっつけていた。

もう一人の同居人のアデルもやってきて、三人で壁と棚の間を睨む。
どうやら彼らの名前はGerman Cockroach というらしく、
忌々しいドイツ人め、などと冗談を言いながら小一時間。
少し経って、チェコ人の彼女が、

チェコではこのGのことをRussian Bugとも呼ぶみたい、と。
調べてみるとロシアでは彼らのことをドイツのある地域の地名を使って呼ぶらしい。

イギリスはGermanと呼び、チェコはRussianと呼び、ロシアはドイツで呼ぶ。


どこの国でもGの皆さんは、
因縁の相手なのだなあ、と思った秋の夜長でした。


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せめて素敵な秋のキャンパスの景色を。

2023/10/25

英語を喋る人たち、英語を喋る私

ニューカッスルにきて一年と少し、もちろん英語をしゃべらない日はないわけです。


これまでの1年間は大学で講義を受けたり先生や他の学生と話したりがメインで、
言ってみれば、何回もリスニングしたことのある人たちの聞き慣れた英語を聞いていた。
それに、クラスはネイティブではない人たちがほとんどなので
(とは言ってもインド人なんかは国での公用語は英語と言ってもいいくらいだけれど)
コミュニケーションに使う英語はわかりやすい。

そして大学から出て一人になれば誰とも英語を喋らなくっても過ごせる。
買い物に行ったってセルフレジだし、会話があったとしても、
ありがとう、すみません、レジ袋いらないです、カードで払います、いい日を、くらいのもの。

でも、最近アルバイトをするようになってこれまでの1年間よりもずっと英語に触れ合う機会が、
そして英語という言語について考える機会が、そして英語で悶々とする日が増えたのです。


実は3つもしているアルバイトは、ランドスケープの会社と、大学の研究補助と、日本語の講師。



特にランドスケープの会社でのアルバイトでは、
自分が一番英語をすらすらと喋れないな、聞き取れないな、
ミーティングで会う初対面の人の英語が聞き取りづらかったらどうしよう、
雑談なんてもっとわからない、
と、毎回けっこうどきどき。
自分がこの国で実はちょっとはマイノリティだったのだ、と思い知る。

とは言っても、ネイティブに囲まれているというわけでもなく、
オフィスにいる人のうち半分弱は、
ウェールズ、イタリア、ドイツ、中国、インドといった国が故郷で、彼らは英語ネイティブではない。


なんで彼らは早口の英国人の英語を聞き取れるのだろう、
インドヨーロッパ語族とか関係あるのでは、と
半ば自分が日本語という特殊言語とともに27年近くも生きてきたことで納得させようとしたけれど、
自分が納得したところでねえ。

それに誰も私の母国がどこかなんて気にしないし、
英語でしか意思疎通できないんだから。


それでも、私が日本人だと知ると、人は
(日本人なのに)英語すごく上手だね!
という。ただ褒めてくれているだけなのだろうけど、
みんなみたいには英語できないな、と思っている私にとってはなんだかモヤモヤする言葉。

それに会社だと言葉遣い気をつけなきゃ、と思うとなかなかむずかしい。
私的にはこう思うんですけど〜とか、
今お時間大丈夫でしたら〜、
もし差し支えなければ〜、的なニュアンス、
まだまだ思い通りにいえないしとっさには難しいなあ。

とにかく周りの人から盗むしかない、と
パソコンの画面に向かいながら耳をそばだてている。

聞き取りだけじゃなくって、どんな内容の会話をよくするのか、とかも、盗む。
朝出勤したら、
元気? と聞く、そして、
そんなに悪くないよ、と返す。
そしてお決まりの
今日の天気の話。
週明けだったら、
週末はどうだった?

帰るときには、
また明日。
今日はこの後予定あるの?ともよく聞かれる。
退勤時間はみんな5時半厳守なので、余裕でその後遊べるのです。

本当にこんなカルチャーなんだなあ、と毎回つくづく感心する。
言語を学ぶことは文化を学ぶことだなあ、と。

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いやー寒い寒い、と言う会話から朝が始まることが多い最近。



日本語の講師でもそれを感じる。

私、の言い方がたくさんあったり、
私の母、妹、姉、だれだれのお母さん、お母さま、妹さん、お姉さんなどなど。
じゃないよ、じゃないです、ではないです、ではないですね。
何をよろしくしているのか、もはやわからないよろしくお願いします、も。

日本語は、喋る人が人にどう聞かれるか、
すごく気にしながら言葉やトーンを選びがちなのかな、と気づいた。

担当している生徒さんには、
なぜこんなに同じことを言うのに言い方があるのだ、と
よく文句を言われる。

相手によって使い分けるなんてやめてくれ、
私はもう先生と呼ばれる日本人たちと喋ることはきっとないから、
さようなら、は基本使わなくっていいってことね。じゃあ、覚えない。
とも言っていた。

日本語ネイティブではない日本語話者と喋る機会はこれまでたくさんあったけれど、
これだけ、人にどう聞こえるか(聞こえてしまうか)、を
たくさん考える言語は、さぞかし喋るのにプレッシャーを感じていたことでしょう。
そしてネイティブたちは、正しく話す、ことに全力を注いでいるし、
他人の話し方に目を光らせることも忘れない。

それでも日本語を一生懸命学ぶのは、
日本語が話せないと関われない人たち、理解できない文化があって、
仕方なく、もしくは勇敢にも、
一丁、勉強するかあ、となったからなのかな。

私の生徒さんはそんなうちの一人。
偉いよなあ、とただそれだけ。


先週は、おばさん、とおばあさんの違いと、
Baの発音の長さを間違えた際に起こりうる災害について、
楽しくお話しをしたところです。











2023/09/15

インターンとその後

気づけば夏休みもそろそろ終わり。

この夏休みは日本やドイツから友人が何人も英国に来てくれたし、つい先日までは母と一緒に英国旅行をすることができたので遊びすぎってくらい楽しみました。
おかげで私の肌はこげこげ。ビタミンDを冬まで貯められれば良いのだけれど、と考えたりしていました。


そんな遊びの間に、楽しみにしていたことが。ランドスケープの会社での、1週間のインターン。
長期でのインターンは受からなかったけれど、一つだけ、1週間でよかったら来てください、といってくれた会社があったのでした。応募がたくさんだったから、みんなに1週間ずつインターンしてもらうことにしたのだそう。素敵。


英国のランドスケープの会社にいくのはもちろん初めてだったし、
きちんとした失礼じゃない英語が話せるかな、とか、
ちゃんと聞き取れるかな(ニューカッスルは方言がきつい地域なので結構わからないことが多いのです)、とか
心配事がたくさん。
でも、大学に教えに来てくれている外部講師の方がこの会社で働いていることは知っていたので、
少しは不安が減ったかな。



初日にオフィスに行くまで1週間何をするのか全くわからなかったので、
オフィスの扉を開けるとき本当に緊張したけれど、
とりあえず何を喋っているのかは分かったし、
1週間だけのインターンの私でもとてもウェルカムしてくれたので、一安心。


初日から、新しく始まるプロジェクトの現場視察に連れて行ってもらったり、
いきなり、出会ったばっかりのスタッフの送別会だったり、
毎日たくさんのことが起きてヘトヘト。
(特に送別会はピザを頼みすぎたようで、数日間お昼ご飯がピザに。
胃もヘトヘトになりました。)



週の後半は、前に大学にレクチャーをしに来てくれたCazの元で働くことに。
ところで彼の名前は私のととても似ているので、覚えやすいと同時によく聞き間違えます。


彼の関わっているプロジェクトは、
私たちが授業でランドスケープデザインを考えた場所が対象地。
授業のイントロダクションで、彼のプロジェクトの話をしに来てくれたのでした。

授業のテーマになったプロジェクトに実際に関われるのはとても嬉しい。
聞けば、最近までプロジェクトが一時休止していたらしく、
最近やっとまた動き出したそう。ラッキーなタイミング。

仕事の内容は、公園の断面図を作ったり、参考になりそうな他のプロジェクトの情報を集めたり。
大学でやった一連の作業が実際に行われてて、
当然なんだけれど、やっぱりこうやって進んでいくんだなーなんて感心しながら。


バブルダイアグラムと呼ばれるゾーニングの図を作っていた時も、
いいねいいね!って褒めてもらったけれど、
私は本当に大学でやった通りに作っただけ。本当に現場でもこうなんだ!と思ったけれど、
バブルダイアグラム、なんて呼び方も、どんな線でどんな描き方をするのかとかも、
きっとこれは国や地域が変われば色々なやり方があると思う。
私はニューカッスル流を学んだのかな。

地元の会社と大学が一緒になって、地元のランドスケープアーキテクトたちを作っているのだな、
と感じてなんだか感動した。





金曜日。
カズ、ちょっと話いい?と言われ、ついていくと、
来週以降は空いている?と。

もちろん暇なので、空いています。
と答えると、


さっき了承をもらったんだけど、もしよかったら来週以降もここに来ない?と。
少しはバイト代も払えるようにするから。と。


願ってもない提案で、
日本語でも何をいったらいいかわからない。
もちろん英語でなんて。
I can't be happier.とかなんとかいった気がする。

デスクに戻ると、ボスが、
よかったね、と私にウインク。
なんだこれ、映画みたいだ。

ありがとうございます、がんばります、というと、
働きたければ、クリスマス休暇以外だったらいくらでも働いていいよ、と。


ということで、晴れてバイトとして働くことに、どうやらなったのです。


とりあえず、あまり背伸びせずに、できることから頑張ろうと思います。





追記
この会社の労働環境はとても素晴らしい。
とりあえず5時半になったらみんな帰らないとならない(ボスの命令)し、
金曜日は半休。
これを実現するために、毎日8時15分に出勤なのだけれど、
こんな健康的な働き方は存在するのか、と驚愕。
もちろん忙しい時には残業もあるようだけれど。

平日でも自分の興味のあることを追究したり、
家族と過ごしたりする時間を持つことができるのは、
生き物としてきっと持つべき権利だな、と。何より平日がただ耐えるだけの5日間ではなくなる。

私の従事する職能は特に。
ぼーっとする時間、
家と会社以外の、ゆっくりできる場所、
を作っているのだから、自分がそれをできなきゃ説得力がないじゃないか。

2023/07/24

イギリスはおいしい...?

近頃は本当に寒くって、20度行かない日がほとんど。
特にここ数日、雨ばかりだし、お昼間に15度などで、
あったかいお茶が美味しい季節がやってきました、
という感じ。

相変わらず街の皆さんは、
傘も差さずフードをかぶってびしょ濡れになりながら
平気な顔をして歩いています。
まあ、雨とは言っても乾燥しているし
室内に入ればすぐに乾くのだから、理解はできる。

ラジオではヨーロッパ諸国やアメリカの熱波のニュースが毎日流れているけれど、
本当に同じ世界で起きていることなのか信じられないくらい。


毎年こんな感じなのかと調べてみると、やはり夏の最高気温平均は20度くらいみたい。
もっとあったかくなると思っていました。こりゃ札幌よりも全然寒いわね。
暖流の威力、過大評価していたよ。

それでも暦で服を着るのは札幌と似ているな、と。
皆さん、頑張ってサンダルやノーズリーブで出歩いているのです。
(冬でもそんな人もいるから、もしかしたら皮膚感覚が違うのかもしれないけれど。)


ということで、ここではあまり季節による気候の変化が大きくないんだな。
お洋服屋さんで一年中冬物を売っているのもなんとなく納得。
日本の四季が懐かしいなあ、なんて。
季節ごとに着る服が違って、見える景色も違うし、食べるものも違う。


そう、食べ物。
この時期、日本のスーパーは私にとったら天国みたいに楽しいところ。
特に北海道なんて冬のシワシワきゅうりからは想像できないくらい
カラフルなたくさんの新鮮な野菜ばっかり。
品種、産地で美味しさが自然と伝わってくる感じ。

でもね、イギリスに来てからそんな楽しい思いをスーパーでしたことはないのです。
マーケットに行っても国産なのか、国産でもどこで採れたのかはわからない。
そして、品目は日本ほど季節変化がないな、と。
野菜は大味だったり、トマトも味が薄いんだよなあ。

これだけ寒くて、日照時間は長いとはいえ曇りや雨の日も多い国なら、
野菜はそんなに元気に育たないのだろうか、などと考えたり。
それよりも品種改良だろうなあ、日本もそうだけれど、
土臭い、青臭い、エグい、とかとことん無くしに行ってるもの。
それ無くしたら、何食べているかわからないじゃないか。


とここまで考えてふと、いや、人々はあまり野菜に興味がないのではないか、と。
正しくは、日常的に使うのはジャガイモ、ニンジンくらいのもので
そのほかは常用はしない、というような。
だって野菜コーナー小さいし、そのうち半分ジャガイモよ。
さすがは芋の国、というべきか。
潰してみたり揚げてみたり、最頻アイテムだものね。
いやいや、でも芋の品種が書いてあるメニュー表とかみたことないけどなあ。

全般的に食べ物に興味がないのかしら。
(飲み物にはすっごく興味があること間違いなし。)


そういえば、
私の大好きな本、イギリスはおいしい(林望著、1995年第1刷)、には
イギリス人はとにかく野菜は茹でてしまう、クタクタになるまで、といったことが述べられていて、
全くその通りだと感心していました。
野菜の袋の裏には必ず、15分茹でる、またはチン、とお決まりのように書いてあるし。
食感や香りにはそれほど興味がないらしい。


でも本の中では、野菜そのものの味は
日本が忘れてしまった、品種改良の逆のような味のものが
残っていて、日本のものより優れている。とあるのだけれど。

それらは私が生まれた頃とはもう、すっかり変わってしまったのかもしれない。
少なくとも、多くの人が口にするであろう都会で手に入る野菜は、
イギリス農業の背景の大きな力やら何やらで、
ワクワクしないものになってしまったのかなあ。



でも外国から来た私にとって、日本では見ない野菜にはワクワクするものです。
Swede, Squash, Parsnip などなど。やっぱり根菜が多いな。
特にパースニップは花の香りがするし、火を通すとホクホクするから美味しい。
私はサラダなどでよく食べます。見た目は白い人参。

でも結局ここら辺の野菜も、
茹でて茹でてマッシュ、
そしてグラタンにする、などの調理法が一般的らしい。


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パースニップ。揚げても美味しい。


日本人は素材の味、大事にしがちだということを
ひしひしと感じています。
それと、どこどこの、何、も大事。
味も情景も浮かぶもの。
頭と舌で食べてるんだなあ。

これって、農業や自然環境のこととか考えるのに便利な能力だよな、
日本、ポテンシャルあるぞ、って少し嬉しくなったのです。



ちなみに、本の中であった、イギリスの料理は味がない、
にも同意します。
味付けという概念がないのかもしれない、必要な分自分で塩をふりかけろ、
ということなのだと理解している。

でも一度だけ、すっごく塩辛いエビのソテーに出くわして、
これもまた本の通りじゃないか、と心から驚いた。